富裕層マーケティングビジネス独り言第6章「ラグジュアリーとプレミアム」その1
ローランドベルガーという戦略コンサルティングファームがあります。ソニー会長時代の出井さんに「ローランドとは年が同じなんだ」と聞いてから気になっていたファームでした。だいぶ前になりますがその日本支社の会長だった遠藤氏が「プレミアム戦略」という本を執筆されていました。ラグジュアリーとプレミアムの違いをわかりやすく把握できるのでおすすめです。
例えばなのですが、<American Luxury>と<American Premium>しっくりくるのはどちらの言葉でしょうか。おそらく<American Luxury>の方であると。では、<Europian Luxury>と<Europian Premium>ではどうでしょうか?おそらく<Europian Premium>であると思います。Premiumという言葉の語源が、「一番」とか「格差」とかいう意味にあることがヒントとなると本書はとらええています。LuxuryとPremium、本来はまったく違う意味なのです。
日本語から考えてみるとLuxuryとは、豪華、贅沢、奢侈などの言葉に、また、Premiumとは、一番目、最上などの言葉に落ち着きます。<American Luxury>という言葉が<American Premium>という言葉よりしっくりくるのは、自由の国アメリカでは「格差」を連想させるPremiumという言葉に少なからず心理的抵抗がある、ということなのです。逆に、<Europian Premium>がしっくりくるのは、ヨーロッパでは「クラス」(階級)という考え方が意識の根底に残っている面があるからである、と。企業戦略から考えれば今ラグジュアリー商品と言われているもののほとんどが実際にはプレミアム商品なのではないかと思います。