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富裕層マーケティングレポート

年収10億円、アジアで出会った富裕層の実像

<h2 id=”midashi”>実はお金持ちは身近にいる</h2>
先月掲載したコラム「年収1億円超の70歳が送る意外と地味な生活」(<a href=”http://rpartners.jp/column/1210/”>http://rpartners.jp/column/1210/</a>)には、多方面から反響が寄せられた。意識してみると、実はお金持ちは身近にいる。今回は、私の会社が展開している富裕層ビジネスで出会った、シンガポールのお金持ちの実態を紹介しよう。
シンガポールに在住するリンさんは58歳の男性だ。奥様と娘2人の4人家族で、「セントーサコーブ」に住む。セントーサ島の一軒家が立ち並ぶ地区の総称で、ここだけ外国人にも土地所有権が認められている。
リンさん本人は20歳の時に立ち上げた不動産開発会社で大成功した。40代後半までの年収は最高で日本円にして5000万円ぐらいだったようだ。これでも日本の平均的なサラリーマンの数倍~10倍ぐらいだが、今の年収はざっと10億円を超える。というのも、以前から開発していたセントコーブの土地が売れたことで「100億円を超える収入が一気に入り、それをプライベートバンクに預けて運用しているだけで、給与と合わせてそれだけの収入が入ってくる」(リンさん)。
日本でも大企業の役員報酬が公開されるようになり、年1億円前後の役員報酬も特に珍しいことではなくなっているとはいえ、ケタ違いだ。「この人が???」というような普通の風貌にショックを覚えることが多いのがリンさんのようなシンガポールの富裕層、特に50代以降の年配の人に見られる特徴だ。
メジャーリーガーでも実際にはほんの一部のプレーヤーしか手にできない年収ということになるから、やはり二極化が日本よりは進んでいる印象を受けることが多い。リンさんの資産形成のケースは、いわゆる「ランドバンキング」と業界では言われる。
未開の土地をタダ同然で購入し、開発しながらその周辺不動産価格が数万倍や数十万倍になっていくようなスタイルだ。思い起こしてみれば、東急電鉄の事実上の創業者である五島慶太氏も阪急電鉄の創業者・小林一三氏も広い意味ではランドバンキングを実践したといえる。東京・丸の内周辺の土地の払い下げを時の政府から有利な条件で受けた三菱グループもこれに当てはまるだろう。国を問わず、不動産から始まる総合開発はやはり爆発的なアセットを生み出す原動力になる。
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<h2 id=”midashi”>出会いは偶然から</h2>
実は私とリンさんとの出会いは、シンガポール富裕層からの紹介ではない。私がシンガポール航空機内誌の中で見つけた住宅の広告がきっかけだった。私が「当社の日本人顧客に紹介したい」と思い、広告に記載されている番号に直接電話したときに、電話口に出た営業マン風の男性こそがリンさんだった。こんなこと、日本だったらまずありえないだろう。
数日後に私はセントーサコーブを訪問し、リンさんに会った。私が内覧することになっていた1700万ドルの住宅のすぐ近くに、リンさんの自宅はあった。内覧の際も丁寧に案内してくれた。内覧後には、「このあたりクルマで紹介してあげるよ」と申し出てくれ、セントーサコーブ中を案内してくれた。
「あそこの家のオーナーはね、日本の蚊取り線香をインドネシアで販売して大金持ちになった」
「あそこの人はスリランカ人なんだけど、普通に見える家がどうしても嫌で、200万ドルかけてあんなふうなジャングルみたいな家にしちゃった」。リンさんは近所の事情をよく知っていた。その後は、ご近所のお金持ちを私に紹介してくれている。私にとってはシンガポールの富裕層ビジネスはこの人なしでは成りたたない、と言えるような人になった。
日本の感覚でいうと、田園調布の家の内覧をしたいから、ということで案内してくれて、田園調布中の知り合いを気軽に紹介してくれているようなものか……。見る人から見れば脇が甘いという指摘もあるのかもしれないが、当社のような中小企業にはとてもありがたい存在だ。
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<h2 id=”midashi”>目利き能力を結果的に養うような提案ができれば</h2>
何年か前に、超有名宝飾ブランドがシンガポールで「この世にひとつしかないハイジュエリー展」を企画し、私がリンさんに同行したことがある。この世にひとつしかない宝飾品なのだから高額は高額だ。しかし、どうやら宝飾品に無頓着なリンさんは「タツヤさん、すげーな、これ1つで、俺んちいくつ買えるのかな?」と聞いてきた。この時に気付いたのが、シンガポールと日本では、富裕層が持っているモノやサービスの割高・割安の判断能力に、まだまだ差があるのだということだ。
例えば、誰でも知っている日本のミュージシャンに同行した時のこと。Aさん、「サインお願いします」と自ら申し出て、ミュージシャンの苦笑を買っていたけれど、その後しばらくは待ち受けにしていたことからも、日本流に言えばミーハーということになると思うし、日本の富裕層ならまずしないだろうな、と思った。
長い目でみれば、これからはアジアの時代だと言われて久しいが、そのアジアの富裕層は比較的目利き能力が弱いと言える。だからと言って割高なサービスを押し付けるのは言語道断。彼らの目利き能力を結果的に養うような提案をするかぎり、やはりアジア富裕層マーケティングは有望なビジネスだ。
彼らが常に気にしていることがある。「日本の富裕層はどういうものを買い、どういうものに投資しているのか?」という情報だ。これは、いわゆる日本人神話といえる。長期的なメリットを享受できる形を彼らに提供することが出来れば、それはアジアマネーの取り込みという大きなレベルの話にも通じることになると私は思う。しかし、一点、やはりご注意を。日本の富裕層と同じで、やはりアジアの富裕層にも「そうであること」に気が付きにくい人が多い。隣の富裕層といかに出会うか、それは運次第の部分もあるかもしれない。

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