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【コラム】2022年3月海外出張経験とパスポート保有率から考える富裕層トラベル

しばらく前になるが、トラベルジャーナルで気になる記事をみかけた。要約すると以下のような論説だ。

「外務省旅券統計(国内在住日本人の有効旅券数)のデータによると、2020年末の日本のパスポート保有率は21.8%、前年より2ポイント低下したとなっている。2021年の数値はまだ出ていないが、新型コロナウイルスの世界的流行に伴う出入国規制強化の影響から推測するとこの数値を下回ることは確実だろう。ほぼ4人に1人から、ほぼ5人に1人の割合までパスポート保有率が下がった格好となっている。海外に行く用事もなく、あっても渡航には幾多もの困難が立ちはだかるこの時代に、新たにパスポートを取得しても更新する割合が少ないのは当然のことであろう。パスポートの全国平均の保有率は、最も保有率の高い東京都ですら35.2%、青森・秋田・岩手の北東北3県は10%を切った。ここに示された数値が今「海外」という言葉を聞いて反応する日本国民の数である。世代別では、20代のパスポート保有率が50%を超えて一番多く、次いで30代36%、19歳以下が32%となっている。アフターコロナのインバウンドの回復は時間がかからないとの予想が多い一方、アウトバウンドについては時間がかかる可能性が高い。現在、日本は新規感染者が激減していたもののオミクロン株の急速な感染拡大により、日本の条件付きでの入国制限緩和は一時停止となり、海外からの帰国者が入国時隔離に近い措置を受けている。日本人の海外渡航が2019年のように再び2000万人にたどり着くには相当な時間がかかり、困難を極めるはずだ。かつてアクティブシニアと呼ばれ、海外旅行市場を牽引した団塊世代はあと3年で75歳を超え、より海外渡航数が減少していくということは言うまでもない。旅行会社や日本の各観光地にも更に大きな影響を与えるであろう。再び国が開き自由に世界を行き来できるようになるころには、日本の高度経済成長を支え、金銭的にも心理的にも恵まれたシニア層の旅人が減っている。反対に、就職氷河期を経験し、常に世の中を悲観的な目で見ており、財布のひもの固い次世代を旅に誘う仕掛けや準備はほとんど行われていないのが現状だ」

JR東日本企画の常務が書いた記事をベースにして要約したが、パスポート保有比率から冷静に将来を見通している眼力には恐れ入る。また最も注目したのが、アウトバウンドの戻りが遅くなるだろう、という指摘だ。考えてみれば当然だが、アウトバウンドの伸びなくしてインバウンドの伸びは期待できない。日本が島国である以上、インもアウトもそのほとんどはフライトを利用することになり、フライトオペレーションの構造上、インとアウトが比例していくのが最も健康的なマーケットといえる。つまりアウトバウンドが滞ればそれはすなわちフライトの減便が戻らずインバウンドの伸びも巷間言われているほど期待できないわけだ。

ここに悪い情報がさらに重なる。それは、2022年3月に北米と中東に出張した経験を照らし合わせると、日本の空港のコロナ水際対策オペレーションに耐えきれる訪日旅行客はそうはいないだろう、ということだ。もちろん日本人が帰国した際にも同じことが言え、さらには日本を出国する際には発券にPCR検査が必要ゆえ、トラベルマーケットを回復していくには、空港と医療のオペレーションを徹底的に見直す必要がある。海外と比べて明らかにアンバランスになっている。

視点を変えると、旅行業界全体の売り上げはさがるが、利益率は大幅に改善する可能性はある。高額になったフライトを購入できる、宿泊日数にも多少余裕のある富裕旅行者が大きなターゲットになるだろうからだ。この場合の問題点は、世界の富裕旅行者が日本をデスティネーションとして選択する理由がそれほど存在しないことだ。少なくとも日本人が考えているほど世界の富裕旅行者は残念ながら日本に注目していない。これからが本番だ、とはいうものの、あまりにも海外でのプレゼンスが低すぎるのが実態だ。世界各地に日本への富裕旅行を扱うトラベルサービスカンパニーに対して出資協力もするオープンイノベーションが求められていると思う。ファムトリップではない形で彼らにどんどん訪日してもらってこそ我々日本人はようやく気付くことになる。日本人が日本で日本語でコンテンツを云々言うよりも効果を生むだろう。

当社グループは Project Super Japanese と称した、「偉大な日本人」という「ヒトコンテンツ」を磨き上げ続けている。「人に歴史あり」。我々の先達は世界で様々な足跡を残してくれている。もちろん、出身地、通った学校、お墓、などなど日本にも大きな足跡を。それらをむずびつければ、地域が地域として当たり前に取り組む地方創生の形を目指す、富裕層地方創生総合研究所 の活動もさらに充実していくだろう。

話を戻そう。パスポート保有率が少ない日本人。。。どうだろう、パスポートをIDにできないものか?いまだに免許証ありませんか?と日本では問われる。何かがおかしい。パスポートが身分証明書として通じないなんておかしなことが起こっているのも笑い話になるような時代をぜひ。マイナンバーでやったようなキャンペーンをパスポート取得でやってもらえないだろうか。そうすればせっかくとったパスポート使うかなアウトバウンド層の開拓をやっていることになると思う。パスポート保有率が20%程度から40%程度になり、新規所得者の10人に1人が海外旅行をする時代になれば、アウトバウンドに数百万のプラスをもたらす。それが富裕層インバウンドを増やす政策のひとつと考えられる。

 

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