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【富裕層トラベルXメタバース】メタバースとNFTで変わるFFPプログラム

皆さんは「NFT」や「メタバース」という言葉を聞いたことがあるだろうか。直接的な関わりはなくても、最新テクノロジーの動向をチェックしている人であれば、聞いたことがあるだろう。特にメタバースは、2021年10月、Facebookが「メタ」に改名するなど、現在世界中で話題沸騰中である。これらは航空業界も例外ではなく、むしろ過去10年間、最新テクノロジーからは常に大きな影響を受けてきた。その中でも航空会社のロイヤルティプログラムは、NFTとメタバースの登場によって、今までにない新たな形に変化していく可能性が高いと言える。

ここでは、NFTとメタバースの意味やこれらが航空業界にどのような影響を与えていくかフォーカスワイヤの外電を参考にみていく。

■そもそも「NFT」、「メタバース」とは?

・NFT

NFTとは、「Non-Fungible Token(ノン-ファンジャブル トークン)」の頭文字を取ったもので、日本語で「非代替性トークン」という意味である。言い換えると、唯一無二の価値や性質があり、他のものと取り換えることができないことを意味する。この中のトークンとは、ブロックチェーン技術を使用して発行した「暗号資産」の総称である。つまりこの2点をまとめると、NFTは、「替えが効かない唯一無二であること」を「ブロックチェーン技術を利用して証明」する技術ということになる。

メタバース

メタバースとは、インターネット上に作られた3Dの仮想空間で、「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語のことである。先程も上記で記したようにFacebookが社名をメタに変更して以来世界中で注目のトピックスである。この言葉自体は1992年のニール・スティーブンスンによる小説「スノークラッシュ(Snow Crash)」で登場している。簡単に言うと、メタバースとは、バーチャルリアリティ空間のことであり、その中で、ユーザーはコンピューター制御された環境を体感したり、他のユーザーと交流することができる。日本では、セカンドライフに代表される非常に似たようなサービスが2000年代から既に存在していた。

■NFTとメタバースの活用事例

・NFTの活用事例

NFTは世界的に実に多様な分野で活用されている。例として大きく分けると下記6種に分けられる。

①NFTアート

NFTアートは、NFTの中で最もポピュラーなものであり、中には完全にデジタルで制作されるものや、写真や画像を取り込んで作成されるものなど、種類は様々である。日本でも多くのアーティストがNFTアートを販売し、高値で落札された事例がある。

音楽

NFTは実は音楽業界でも勢いを増している。海外では、音楽作品をNFTとして販売するアーティストも多く、日本では有名ミュージシャンの小室哲哉氏のNFTが販売予定である。

ゲーム内アイテム

NFT市場では、ゲーム内のキャラクターや衣類、土地などのアイテムもかなりの数が取引されている。2021年2月には、人気ブロックチェーンゲーム「Axie Infinity(アクシーインフィニティ)」でNFTとして発行されるメタバース(仮想空間)上の土地が150万ドル(約1億5, 000万円)で落札されたというので驚きだ。

蒐集品(コレクション品)

トレーディングカードなどの蒐集品のNFTも数多く取引されている。日本でいうと、人気アイドルグループも度々NFTトレカを販売し、ファンの収集欲求を掻き立てている。NFTはアイドルや歌手、芸能人のコンテンツとしても最適である。また、NFTのトレカは通常のトレカと違い、所有権もしっかりと明瞭化できるため、ファンは公式作品のみ手にすることができる上に、ニセモノの拡散による価値の下落も防げるのである。

ミーム画像・動画

「ミーム画像・動画」とは海外のSNSなどで話題になり、世界的に拡散されている画像・動画のことだ。画像や動画は、SNS上で際限なく拡散されるものだが、それをNFTとして販売することで、購入者は「あの有名なコンテンツの所有権は自分にある」と安心することができる。また、高額で落札されるケースも多い。最近ではTwitterの投稿をNFTとして販売する事例が増えており、NFTとデジタルコンテンツの相性がいいことが分かる。

資格・証明書としての応用

NFTはブロックチェーン技術を活用した技術であり、デジタル証明書としての役割を担うことも可能だ。近年のコロナ禍において、データ偽装の心配もないことから、「新型コロナウイルスのPCR検査の証明」「ワクチン接種証明書」としての利用が期待されている。

 その他ニューヨークタイムズのコラム記事がNFTとして約56万ドル(約6,097万円)で落札された事例もあり、さまざまな分野で活用されていることが分かる。

・メタバース

メタバースと聞くとさも最近出てきた新しいワードのように聞こえるが、既にゲームの分野では親しまれた概念となっている。日本でも人気を博した、自分の分身となるアバターを作って仮想空間で生活をする『あつまれ どうぶつの森』の世界も、メタバースの1つと言える。下記では、世界的にメタバースとして認識されているゲームや、お金が稼げるゲーム「ブロックチェーンゲーム」でのメタバースの活用事例を4つ紹介していく。

マインクラフト

3Dのブロックで構成された仮想空間の中で、自由に冒険や建築をしたりして楽しめるゲームである。草原、山岳、海底といった多種多様な地形が広がっており、メタバース上でプレイヤーが自由に活動できる点が人気に繋がり、世界的なヒットを記録した。

フォートナイト

複数人のユーザーとバトルロワイアルを楽しめるオンラインゲームであり、ボイスチャットの機能を用いて友達と会話をしながらゲームを楽しむこともできる。コロナ禍により家の中で時間を過ごすことが多くなった昨今、「フォートナイト」は友達とのコミュニケーションの場としてのメタバースとなっている。

③VARP

VARPとは、仮想空間上であらゆるイベント体験を可能とするプラットフォームのこと。コロナ禍において実際に対面でのリアルイベントの開催が難しい状況の中、VARPを使用することによって仮想空間上でアーティストがファンへ自分の作品を届けることができる。

④Horizon Workrooms

Horizon Workroomsとは、CGで作成された仮想空間上で会議やセミナーを開くことができるサービスのこと。コロナ禍においてはメタバース上で会議を行うことで、飛沫感染や接触のリスクを考えずに会議に集中できる。またHorizon Workroomsの性質上、直接対面しているような感覚でコミュニケーションを取ることが可能なのも人気の理由の一つとなっている。

旅行規制やロックダウンがある現在の状況下において、こうしたメタバース空間は、他者とつながったり、同じ体験を分かち合える場としての存在感を高めている。

このほか、オフィスをバーチャル化し、社員のメタバースをGather上に作り出している例がある。Gatherというのはビデオのチャット・プラットフォームで、バーチャル空間でのやりとりが、もっと人間らしいものになるよう設計されている。バーチャル・オフィスには、社員それぞれのデスクや会議室に加え、雑談スペースや一緒に楽しめるゲームもあり、社員は、参加リンクをクリックし、自分のアバターを作成し、メタバース内を自由に歩きまわったりすることもできる。アバター同士がすれ違った時に、言葉を交わせる機能がついているものもあり、休憩室などで談笑をしたりすることががデジタル上で体験できるものまである。

航空会社のロイヤルティプログラムにおける可能性

では、航空業界はこのNFTとメタバースをどのように取り込んでいくだろうか。トークンの活用状況から考えてみると、最初に検討すべきは、航空チケットの発券業務にNFTを取り入れることだとされる。航空券を購入する度に、自分が利用した全フライトの記録などの記録がシームレスに追加されるようになれば、旅行の終了後、自分のアカウントを見ると、フライトの使用機材、到着・出発時刻、座席の位置、出発地と到着地などの旅程の詳細すべてを網羅したNFTが確認できる。

航空会社と人気ブランドが提携し、何か特別なコンテンツを提供するフライト限定NFTチケットというのも近い将来出現するのでは?有名ブランドの生産数限定スニーカーや限定販売の香水、音楽家やアーティストのイベント入場券とセットになった航空券など、さまざまなケースが考えられる。利用額が各社が設定している規定レベルに達したら、ボーナスNFTが加算され、デジタルもしくはリアルな特典が付与されるので、同じ航空会社を継続利用する理由が一つ増える。航空会社と利用者どちらにとってもメリットのあるプログラムと言えるだろう。

さらにメタバースも活用すれば、もはや今までとは全く異なる新しい世界への扉が開くといっても過言ではない。例えば、航空会社がメタバース内にデジタル・ラウンジを作り、さらに飛行マイルだけでなく、デジタル・ラウンジにログインして何か体験することでポイントを獲得できるようにしたり、会員ステータスを維持できるようにすれば、ロイヤルティプログラムに新しくゲームという要素が加わり、新たな魅力が生まれる。航空会社が手掛ける新しいビジネスモデルや収益源の拡大については、現時点ではエアアジアの取り組みが参考になる。いずれも燃料費の乱高下、需要の大幅後退など、外的要因がもたらす脅威に負けない強靭な組織を作ることが狙いだが、NFTとメタバースを活用することで、今までにない道を切り拓くことができる。特に格安航空会社(LCC)にとっては大きなチャンスだ。多くの路線を展開するフルサービス・キャリアのようなサービスは持っていないが、新しいテクノロジーやトレンドに敏感で、決断も早いのがLCCの強みである。またその思想に敏感な顧客層もいるはずだ。

同様に富裕層旅行者や高額旅行者へのプログラムとしても考えられることがある。ハネムーンに代表される記念旅行に、NFTXメタバースの体験を「世界で一度きり」のものとして提供できればいい話で、似たようなものと思われがちな各航空会社との差別化や継続的に利用客を増やすための新しいプログラムを期待したい。顧客をデスティネーションに運ぶことだけでなく、フライト体験そのものが様々なレイヤーで富裕層旅行者のデスティネーションになる日も遠くないだろう。

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