バーチャル空間での新しい旅体験を提供する新会社として設立された、ANA NEO株式会社が総額45億円の資金調達を実施したと発表した。今回、全国の金融機関と事業法人による第三者割当増資、メザニン出資、シンジケートローンを含む融資で実現した。出資した金融機関は、三井住友銀行と琉球銀行、大分銀行、佐賀銀行、京都信用金庫など地方銀行あわせて9社にのぼる。

ANA NEO株式会社ではメタバース旅行「SKY WHALE」の提供に向け、事業構築をしている。SKYWHALEとは、3DCGによって作られた世界の様々な都市を舞台に旅行体験ができるほか、バーチャルショッピングやバーチャル空間で医療や教育などのサービスが展開されるプラットフォームのことである。それぞれのサービスは以下の通り。

1. Skyパーク

3DCGで構成されたさまざまな都市の絶景スポットや観光地などを舞台として、気軽に旅行を楽しめるサービス。弾丸ツアーやのんびり過ごしたいなど顧客の希望に合わせて体験が可能で、最大8人で同時に楽しめる。

2. Skyモール

空港のショッピングモールをイメージしたバーチャルモール。家族や友人と一緒にショッピングなどを楽しむことができる。

3. Skyビレッジ

バーチャル上での医療・教育・行政などのサービスを展開予定。

上記のような、地域創生や地産外商等のSDGsビジョンに加え、ゲーミフィケーションを活用したサービス企画やオープンイノベーション、高度なゲーミングテクノロジーの利活用といった、ビジネスモデルが高く評価された結果、今回の資金調達が実現した。これまでにも、ANA NEO株式会社は、アバターロボット「newme」を活用した遠隔ガイドなどの実証実験を行ってきた実績がある。また、グループが航空会社としてこれまで培ってきた知見や「newme」で提供している各種サービスなどを活用し、ビジネスモデルのデジタル化促進を行っている。今回、SKYWHALEのようなバーチャル空間での旅行やショッピングなどの消費体験を通じて、地方創生やリアルとバーチャルを融合させることによる経済発展と社会的課題の解決を目指している。今後もANAグループの挑戦と更なる進化に目が離せない。

当社グループ関連事業としては、文化資産を活かしたラグジュアリートラベルの形であるProject Super Japanese との連携で、富裕層XメタバースXトラベルの掛け算で上質で高付加価値なメタバース旅行市場を見出していきたいと考えている。富裕層ビジネスにもメタバースの波は確実にやってくる。