世界の富裕層旅行は今どうなっている?
ウェンディペランのレポートによると、Vaxication(バクシケーション)という言葉が世界のラグジュアリートラベルデザイナーの間で話題となり始めていることがわかる。ワクチンを接種した人が旅行を、特に滞在型の旅行を開始しているという。カリブ海、アドリア海、ギリシャ、エジプト、などバクシケーションを楽しむラグジュアリートラベラーが増えてきていることは確かな変化だ。モルディブなどもかなりの賑わいを取り戻している。マイアミ発着、37港寄港、15か国をめぐる南米、南極、ガラパゴスなどへの約80日間のクルーズトラベルも活況を呈している。
日本から見ればハワイやスイスなどバクシケーションでなくてもゲートが開いている国々や地域が多くなった。日本でのワクチン接種が進めば進むほどジャパンアウトバウンドトラベルには「富裕層」、「滞在型」をキーワードに活気が戻ってくるはずだ。
一方でジャパンインバウンドはまだまだ心もとない。ゲートオープンも段階的にならざるを得ないだろうし、当初はトラベラーへの負担を強いることになるだろう。滞在期間中の何度かのPCR検査もせざるを得ない状況ではないだろうか。台湾や東南アジア諸国とのトラベルバブルを早く形成し高付加価値で上質な訪日旅行が全般的に提供される日はまだまだ先だと感じる。しかしながら富裕層マーケットに関しては2021年には開始されるだろう。日本での滞在を1か月とし十分な対策をとってもらうことが最低条件になるだろうし、沖縄や北海道あるいはアイランドホッピングに限定するなどの対策も必要かもしれない。
マカオには中国人富裕層トラベラーがかなり戻ってきている。モルディブも盛況だ。このほか、シンガポールと香港のトラベルバブルなどを参考に訪日富裕層マーケティングも沖縄や北海道、瀬戸内の島、東京都の島しょ部、などからエリア間のトラベルバブルで開始されるべきだろうと思う。