富裕層マーケティングビジネス独り言第5章「富裕層ビジネス 1% V.S 99%」その4
ラグジュアリーの語源のひとつは「リュクス」、つまり「光り輝く事やモノ、あるいは考え方」です。
単純にラグジュアリーとよばれるobjectの総体は瞬間的なものの総称にすぎないと考えることもできるわけです。欧米型のラグジュアリービジネスはまさに欧米型の文化と融合して発展してきました。文化というのは人間の英知の賜物であって、継続性の高いものです。がゆえに、これをjapanizeするのであれば、日本の文化との融合が求められるはずです。継続的な日本文化との融合が日本におけるラグジュアリービジネスの継続性につながるのだと思います。実行するには重要なポイントがあります。ズバリ、「トップダウン」です。日本文化の重要性をトップマネジメントが理解したラグジュアリーブランドのみが最終的に日本に残ることになるはず、と我々はみています。ボトムアップでは幻想のみを求めるに終わる。私たち日本人は節約と倹約の文化の中に日々生きています。富裕層とて原則同じ事です。それは私たちのアイデンティティそのものです。単純に連想されうる欧米型のリュクスは瞬間的な輝きを意味し、私たちのDNAがその受容を拒否することがあります。そして拒否され続ける限り欧米型のラグジュアリービジネスが根付くことはありません。その空気感が日本人の中に根付くことはおそらくないだろうと思います。でも、我々のDNAに深く刻まれている点、つまり無意識のうちに日本文化の中に日々生活している点を最重要の経営戦略とするならば話は別です。継続的で最重要な経営戦略です。
トップダウン戦略以外には現時点では想像がつきません。正論が拒否されるケースの目立つボトムアップでは到底なしえないだろうというのが我々の実感です。日本型のラグジュアリービジネスというのは、そのように帰結するのではないでしょうか。